小津安二郎監督は、1903年に深川(東京都江東区)で生まれ、少年期を三重県松阪市で過ごし、1923年に松竹へ入社しました。そして1937年から1955年まで、ここ茅ヶ崎にある「茅ヶ崎館」を脚本を書く仕事場として利用していました。『戸田家の兄妹』『父ありき』『長屋紳士録』『風の中の牝雞』『晩春』『宗方姉妹』『麥秋』『お茶漬の味』『東京物語』『早春』の脚本が庭に面した角部屋「二番」で執筆されています。また近くの海岸は撮影のロケ地としても使われました。『長屋紳士録』『晩春」『麥秋』『早春』『浮草』の劇中で当時の貴重な茅ヶ崎海岸を観ることが出来ます。今回はこの中から『長屋紳士録』と『浮草』の元となった『浮草物語』を上映いたします。 映画の上映だけでなく、映画音楽のコンサートや、小津作品に関するシンポジウムなども予定しています。ぜひこの機会に、今なお、多くの国内外の映画ファンから熱い支持を得る小津安二郎監督の世界にふれてみてください。
小津安二郎監督作品特集上映